AviUtlからAfterEffectsへ その2【レイヤーの役割】

レイヤーの役割

連載企画の第二回になります.今回はAeにあるレイヤーの特徴を一つずつ紹介します!
恐らくAviUtlからくると,まずここで詰まってしまうのではないかなと思います.大丈夫です,ここでレイヤー別で翻訳表を見てもらえば一発で整理がつくはずです.その表がこちら!

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では一つずつ解説します.

動画・画像 テキスト

AeでもAviUtlでもこれらは同じ扱いとなります.しかしAviUtlとは違う点が一つあります.それは,PSD形式を読み込めるということです.PSDとはPhotoshopのプロジェクトファイル形式です.アルファチャンネルにも対応しています.つまりどういうことかというと,

Photoshopで保存したものを書き出すことなくAeに反映させることができる

ということです.
書き出しの手間がかからなくなるだけ?と思ったかもしれませんがこれのすごいところはそこではないのです.なんとPSDで修正を加えたファイルはその修正分がAeのほうに再読み込みなしで反映されます!

例えばPhotoshopで切り抜きしたものをPSD形式でAeに読み込んで,編集しようとしたら…

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photoshopで切り抜き漏れ発見!

このように往々にして切り抜き忘れが見つかったりします.いちいちファイルをAeから消して直したものを読み込みなおすのは面倒です.そんな時,PSD側で切り抜き修正を行ったファイルを保存しなおすだけで

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Photoshopの変更が反映される

このように変更が反映されます.自前で切り抜きを行う際の強い味方となるでしょう.
よく考えたら記事では自動で反映されたかどうか見せられませんね,うまく説明できてないかもしれませんが自動で反映されてるのは本当ですよ!

図形

これはシェイプレイヤ―というものになります.ここも二つ違う点があります.一つは平面を出すときは別種類の平面レイヤーがあるということです.

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もう一つはシェイプレイヤは内部にコンテンツと呼ばれるパーツで構成されていることです.少しややこしいのですが,シェイプレイヤという一つのレイヤ内に複数の図形を存在させることができます.まずシェイプレイヤ内の追加を押して

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出てきた中で長方形を選びます.すると長方形が…

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出てきません.

Aeの図形は「パス」「塗り」「線」の三要素でできています.長方形をクリックして出てきたのは「パス」に当たるものだけ,というわけです.なので図形を出すために先ほどの欄から「塗り」「線」も繰り返し選んでください.すると図形が出ます.

フレームバッファ・フィルタオブジェクト

Aeの調整レイヤはフィルタオブジェクトに近い概念です.

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調整レイヤは「自分より下のレイヤすべてにエフェクトを与える」レイヤです.この使い方はフレームバッファと同じになります.ここで調整レイヤに明るさを上げるエフェクトをかけると…

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このように全体を明るくすることができます.次に,フレームバッファでよく使うであろう画面のズームをやってみます.調整レイヤでスケールを上げてみます.フレームバッファでは拡大率を上げると画面がズームされたようにできますが

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何も変わりません.スケールを上げたのに.
ということで調整レイヤは概念的には透明なレイヤにフィルタだけ重なってかかっているもの,と考えてください.フレームバッファと異なり画面を一枚の画像として取得しているわけではありません.

実はAeにはフレームバッファはありません.でもフレームバッファないとズームするとき面倒だよ,という人にはフレームバッファを無理やり作る方法があります.それは調整レイヤにトランスフォームというエフェクトをかけてあげることです.これを使うと

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このようにトランスフォーム内のパラメータでスケールを調整できます.相変わらず調整レイヤのほうのスケールはいじっても何も変わりませんが.

音声波形表示

あまり使うことがないと思うので簡単に.前述の平面レイヤーに音声波形表示というエフェクトを適用すると音声波形にできます.

シーン

でました.めちゃくちゃ重要です.Aeではコンポジションと呼ばれているものです.AviUtlではシーン1にシーン2,のようにシーン同士の読み込みができないというエラーがありました(AviUtl 1.0の話です).ですがAeではもちろんそんなことはなくコンポジション同士で読み込みをしたり,そもそものタイムラインをすっきりさせることができます.

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このようにmainという名前のコンポジションにそれぞれ個別の名前を付けてコンポジションを作ることができます.歌詞ごとに作れば後々チェックもしやすいでしょう.このように無制限に作ることもできますので(自分でみてもこれはおぞましいですが).

直前オブジェクト・フィルタ効果の追加

これらはAeでは存在しない概念です.

時間制御

これはAeではタイムリマップと呼ばれる概念です.一応はエフェクトの一種として扱われています.

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ここのユージの顔はタイムリマップで再生時間をイージングすることで制御しています.

グループ制御

Aeではグループ制御は親子関係,という概念で行われます.親レイヤー,子レイヤーがそれぞれ存在し,親レイヤーの移動やスケールに合わせて子レイヤーも移動やスケールします.ヌルオブジェクトは,文字通り何もないオブジェクトです.

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このようにヌルレイヤーを親,背景や顔のはめ込みを子に指定することで子に指定したレイヤーを親のヌルレイヤーの操作のみで管理することができます.

カメラ制御

カメラは別日の記事で出します!Aeの強みだと思いますのでじっくり解説します.

 

今日の記事は以上です.